『運命の風』(Wind of Fate)第四話へ戻る ページ: 1/ 2/ 3/ 4/ 1ページ目D&D3.5edキャンペーン『Wind of fate外伝』【キャラクター紹介】 ____________________________________ フィース(22歳) 種族: アアシマール クラス: パラディン 装備:ロングソード、クラブ、ランス、ブレストプレート、木製ヘヴィ・シールド 幼い頃、セレスチャル・ウォーホース(聖なる軍馬)のプラックとともにトラボク村の教会に預けられ、育ったアアシマール(血統にセレスチャルの血をもつ)の青年。 正義感が強く、心優しい好青年で、皆から信頼されている。 信頼されすぎるのも困ったもので、いつも人一倍働かされている苦労人である。 アアシマールとは、血脈に善の次元界に住むセレスチャルの血が混じっている人間である。 そのため、一般の人間にはない特殊能力(暗闇でも見える目や、酸や電気や冷気の攻撃に対する抵抗力など)を備えている。 プラック 種族:セレスチャル・ヘヴィ・ウォーホース(聖なる大型軍馬) フィースが小さい頃からずっとそばにいて見守ってきた聖なる魔獣。 ____________________________________ ソーン 種族: 人間(21歳) クラス: クレリック ヘヴィ・メイス、クラブ、スリング、スリング・ブリット×20、スケイル・メイル、木製ヘヴィ・シールド トラボクの村にある聖ナビアス教会に住む青年。 常に規則正しく、法を重んじる生真面目な男で、多少融通が利かないところがあるが、向上心が強く、何事にも熱心に打ち込む好青年。 フィースとは親友の間柄である。 上級クラス『ジャスティシアー(大判官)』になる事を目指して現在修行中。 ____________________________________ ビズィ・ザ・ネゴシエイター(42歳) 種族: 人間 クラス: ローグ 装備:モーニングスター、キドニー・ダガー(ボロック・ナイフ)、スリング、スリング・ブリット×10、スタデッド・レザー トラボク村にある聖ナビアス教会のダート司教の従弟。 フィースとソーンにとっては昔からよく遊んでくれたおぢさん。 腹黒い性格で自分が得をするために平気で嘘をつくこともある男だが、どこか憎めない? ____________________________________ 名前: アン(18歳) 種族: 人間 クラス: ウィザード 装備:スタッフ、ダガー、スリング、スリング・ブリット×10 本を読むのが大好きな魔法少女。 知識は豊富だが、おっとりしているためか、あまり知的なイメージがない。 ビズィの家でメイドをして生活している。 ____________________________________ 運命の風外伝 #4.5『追い風に吹かれて』 これは、バンブルとアルウィンがまだイクス村で平和に暮らしていた頃の話である。 ロラック大陸のエウルブ地方にあるトラボクの村。 物語はここから始まる。 ―聖ナビアス教会― 世にも珍しい訪問者がやってきた。 背中に美しい翼をもち、高貴な雰囲気を漂わせるジェンナという女性だ。 ここ最近エウルブ地方のいたる所で出没しているドラウ(ダークエルフ)やドゥエルガル(グレイ・ドワーフ)を調査するため、大都市エニラマルトルを目指して旅をしているパラディン(聖戦士)で、一晩の宿を提供してほしいという。 聖ナビアス教会のダート司教は喜んで迎え入れる。 ____________________________________ ジェンナ 種族: 天使と人間のハーフセレスチャル クラス: パラディン 装備:高品質ロングソード、高品質ブレストプレート、高品質鋼鉄製ヘヴィ・シールド 善の次元界に住むエンジェルと人間のハーフで、美しい翼を持つ聖戦士。 ____________________________________ ダート司教「我が教会が、あなたのような高貴な聖戦士に、協力を惜しむ事がありえましょうか。一晩と言わず、お気に召すままにご利用下さい」 ジェンナ「ご厚意感謝いたします。ですが旅を急ぎますゆえ、まことに残念ながら、明日には旅立つ所存でございます」 ダート司教「ではぜひ教会の者達にエニラマルトルまで護衛をさせていただきたい」 ジェンナ「この私はただでさえ一宿一飯の恩義に報いるべき立場。これ以上のご厚意をお受けするわけにはまいりません」 ダート司教「いえいえ、こちらといたしましても、あなたほどの聖女様にろくなおもてなしもできずに、旅立たせたとあっては教会の名折れというもの。護衛という名目がお気に召さなければ・・・そう、我が教会から武者修行に旅立つ予定の者がいますので、同じ道のりをご同行させていただくという事でいかがでしょう?」 (ダート司教は、高貴なる聖戦士ジェンナの手助けをすれば教会の名誉になると考えている) ジェンナ「そこまでのお言葉をいただき、お断りするのは失礼に値すると判断させていただきます。感謝とともにぜひともよろしくお願いいたします」 ―翌朝― ジェンナの旅立ちに同行する者達が集められる。 ジェンナ「私はジェンナと申します。皆様のご助力、感謝いたします」 ジェンナはダート司教が強引につけた護衛に、嫌な顔一つせず好意的に対応する。 ソーン「私は聖ナビアスのクレリック、ソーンです」 フィース「僕は聖ナビアスのパラディン、フィースです (奇麗な人だ・・・僕にもセレスチャルの血が流れているらしいけど、この人の高貴さには遠く及ばないな・・・)」 ジェンナ「フィース殿、貴殿のような素晴らしき同志に出会えた事を神に感謝いたします」 フィース「いえ、こちらこそ、貴女のような高貴な方に出会えた事を光栄に思います」 ちょうどそこに酒場で賭けに負け、すっかり金をすってしまったビズィが帰って来る。 ビズィ「Fuck! 最悪だ畜生!こうも引きが悪いなんて、考えられない!」 怒りをドアにぶつけようとして蹴る。しかし自分の足を痛めてしまう。 ビズィ「いってえ!ドアまで俺をコケにしやがる!ファッキンファッキンファッキン・・・今日はなんてついてね・・・(ジェンナを見る)・・・考えられない!なんてこった!天使様が見えやがる!確かに俺は普段からあまり良い事はしちゃいねえが、天から迎えが来るにはまだ早いはずだ!それとも俺の目がおかしいのか?」 ダート司教「これビズィ(耳打ちで状況説明をする)」 ビズィ「これはこれは、遠路はるばるようこそおいでくださいました。私は一流の交渉人、ビズィです。(ジェンナに右手を差出そうとして、すぐに引っ込めて服でゴシゴシと拭き、また差し出す)」 ジェンナ「フィース殿、このかたは?」 ジェンナはビズィを露骨に怪しんでいる。 フィース「いや、その、なんと言いますか・・・村一番の小悪党・・・じゃなくて腕利き冒険家です・・・はい・・・(こうでも言わなきゃ絶対信用されないだろうなあ。ああ、パラディンなのに嘘を言ってしまった・・・堕ちちゃうかも・・・あ、でも、ビズィおぢさんは悪い人じゃないから、まるっきり嘘ってわけでもないよなあ・・・)」 ジェンナ「これは失礼しました。私はパラディンのジェンナです。先ほどの非礼をお詫びいたします」 行き場を失い、宙を泳いでいたビズィの右手と握手する。 ビズィ「へへへ、ビズィ・ザ・ネゴシエイターです。以後お見知りおきを」 ジェンナの手を両手で握り、手の甲に何度もキスをする。 フィース「あ、ビズィおぢさんズルイ・・・」 そこに教会で借りてた本を返しにアンがやって来る。 アン「(ジェンナを見て)はれはれはれ?小さい頃に絵本で見た天使様が目の前に・・・」 ビズィ「アン、なにボケっと突っ立ってるんだ!聖女様の御前だぞ!」 アン「え、あ、はい。私、魔術を勉強しているアンと申します」 こうしてジェンナ、フィース、ソーン、ビズィ、アンの5人はエニラマルトルへ向けて出発する。 旅の途中、コカエプ村に立ち寄る。 ―コカエプ村― (サブシナリオ『お化け屋敷捜索隊』) ____________________________________ 【お化け屋敷捜索隊】 このサブシナリオは、D&Dオフィシャルサウンドトラック日本語版(Dungeons & Dragons-Official Soundtrack [Import, from US])に付属していたシナリオ『お化け屋敷捜索隊』を運命の風の世界観にアレンジしたものです。 ____________________________________ 旅の途中立ち寄ったコカエプ村の酒場『黄金の太陽亭』でフィース達5人が夕食をとっていると、太った中年の男が酒場に入って来る。 太った中年の男「私はこの近辺の地主をしているモーロワという者だ。この中で誰か一仕事引き受けてくれる者はいないだろうか?近場の仕事でそう時間はかからないし、それなりの謝礼をさせてもらうよ」 謝礼という言葉にビズィがとびつく。 ビズィ「地主さん、優れた腕をお探しかい?」 モーロワ「あんたは?見たところあまり腕利きといった風体には見えないが、いったい何ができるんだい?」 ビズィ「俺に何が出来るかって?」 ビズィは大袈裟なポーズをとる。 ビズィ「考えられない!」 大袈裟にかぶりを振り、ため息をつく。 ビズィ「この俺様の頭脳が信じられないってのか?いいだろう、よく聞け。プラトンやアリストテレスを知っているか?」 モーロワ「ああ、有名な哲学者だ」 ビズィ「俺に言わせりゃ・・・アホだ」 モーロワ「・・・はあ・・・」 ビズィ「いいか?極悪非道な誘拐犯がガキを人質にたてこもった時にとれる選択肢はいくつあると思う?」 モーロワ「・・・さあ・・・」 ビズィ「ハッ!簡単なことさ!答えはたったの2つしかない!」 ビズィは人差し指を立てる。 ビズィ「答えその1、あきらめるか・・・」 中指も立ててVサインになる。 ビズィ「答えその2、俺に頼むかだ!」 ビズィは間をおかず、続ける。 ビズィ「錠前のかかった扉を目の前にした時にとれる選択肢は2つしかない!・・・わかるだろう?そうだ!あきらめるか、俺に頼むかだ!」 ビズィはさらに続ける。 ビズィ「ずる賢い魔術師の罠にはまった時にお前がとれる選択肢も2つしかない!あきらめるか、俺に頼むかだ!」 ビズィの口調がだんだん速くなってくる。 ビズィ「うっかりエンシェント・ドラゴンのねぐらに突っ込んじまった時にとれる選択肢も2つ!あきらめるか、俺に頼むかだ!」 ビズィはさらにまくしたてる。 ビズィ「邪悪なピット・フィーンドにそそのかされそうになった時にとれる選択肢も2つ!あきらめるか、俺に頼むかだ!極悪なバロールと目が合って気まずい時にとれる選択肢も2つ!あきらめるか、俺に頼むかだ!・・・(一息つく)・・・この俺の才能が理解できたかな?」 モーロワ「・・・ああ、なんとなくわかったような・・・わからないような・・・まあ、お連れの仲間達もいるようだし、頼んでみようか」 ビズィ「よし、話を聞こうか」 ____________________________________ 【モーロワの依頼内容】 村のはずれにある空き家になって久しい屋敷を調査してほしいと言う。 実はこの屋敷は、アングレブという魔術師の屋敷だったが、10年以上前に姿を消し、そのまま廃墟となった。 魔術師アングレブは地主モーロワに借金をしていて、その返済期限が過ぎたので、モーロワは魔術師の屋敷を売りに出そうと考えたのだ。 屋敷はすっかり子供達の遊び場になっていたが、ここ最近、夜に灯りが見えたとか、中に入ろうとしたらどこからともなく声が聞こえたといったお化け話が持ち上がっている。 お化け屋敷の噂を払拭したいことも含めて報酬は総額30ゴールドだという。 ____________________________________ その値段に対し、ビズィ・ザ・ネゴシエイターが交渉に出る。 ビズィ「おい、フィース、愛馬の世話でもしてきたらどうだ?」 値段交渉の邪魔になりそうなパラディンであるフィースを馬(プラック)の世話に行かせると、ジェンナもそれについて行く。(ジェンナはフィースの愛馬であるセレスチャルの馬に興味があった) ―馬小屋― ジェンナ「フィース殿のセレスチャル・ウォーホースは、かなりの名馬とお見受けしますが、どのようにしてこのような名馬を・・・失礼ながら、フィース殿が招来された『特別な乗騎』ではないように思えましたので」 ____________________________________ 【パラディンの特殊能力:特別な乗騎】 ある程度高い実力を持つパラディンは、他の次元界から乗騎となる魔獣を招来する事ができる。ジェンナが「失礼ながら」と言ったのは、まだ、特別な乗騎を招来できるほどのパラディンには見えないと言う意味になってしまうからである。 ____________________________________ フィース「実は、僕が生まれた時からずっと一緒にいるんです。名前はプラック。僕にとって、かけがえのない家族です」 ジェンナ「Pluck・・・『勇気』とは素敵な名前ですね」 聖なる軍馬プラック「ヒヒ〜ン!」 フィース「ジェンナさんのお言葉に、プラックも喜んでいるようです」 ____________________________________ 【セレスチャルについて】 フィースの愛馬プラックは生粋のセレスチャル(天上界の生物)、ジェンナはハーフセレスチャル、フィースは血脈にセレスチャルの血が少しだけまじっているアアシマール。 セレスチャルの能力の強さは生粋よりも他の種族と交わったハーフの方が強力になるのだが、さらに地上の種族と交わったクォーター以降にあたるアアシマールは、セレスチャルの血が薄くなっているため、特別な能力はかなり弱まっている。 ____________________________________ 次のページへ ページ: 1/ 2/ 3/ 4/ 『運命の風』(Wind of Fate)ギャラリー へ戻る |